甲子園交流試合を終えて

8月16日(日)、阪神甲子園球場にて行われた甲子園高校野球交流試合にて、鶴岡東は日本航空石川(石川)に5−3で見事に勝利しました。応援ありがとうございました。

多くのOBの方はテレビ観戦だったと思いますが、山形の独自大会ではリリーフ登板のみだった左腕・阿部駿介の先発起用には驚きましたね。相手チームも戸惑っていたようでした。ただ、OBであれば奇襲ともいえる起用に「きたか!」とニヤッとした方もいたのではないかと思います(笑)。

あらためて佐藤俊監督に阿部投手の先発起用に訊いてみました。

「阿部は2年春に好投しながら、新チームになってからはコンディションが整わず、公式戦で登板できずにいました。だから、どこかでは使ってあげたいとずっと思っていたんです。よく3年よりも2年の時の方がよかった、と言われるような選手がいますが、指導者として阿部をそのような選手にしたくなかった。調子を崩さなければ打者を抑える力、打ちにくさはチームでもトップクラスの投手ですから。幸い独自大会後に調子が上向いてきたので、東北大会頃には阿部を甲子園で起用する意識でいました。活躍してくれて本当によかったです」

最後は満塁のピンチもありましたが山路将太郎の好守備でゲームセット。しぶとい今年のチームの強さを感じました。

「結果的に山路がよく守ってくれましたが、仮に打球が抜けてもライトの鈴木喬が前進していたので、高い確率でホームで同点のランナーを刺してくれたと思います。鈴木は強肩でコントロールもいいですから。投手にしても、まだ小林三邦が控えていたので、あの場面は長打さえ防げば負けない、という気持ちでした」

ピンチでも浮き足立たず冷静にやるべきことをやる。チームが目指してきたところですね。

「そうですね。ただ、あの試合は彼らにしては珍しくミスも目立った。ピンチもチャンスもたくさんあった試合でした。試合後の取材でも話しましたが、良いことも悪いこともあった今年のチームを象徴していたように感じます。とにかく今回の甲子園交流試合は勝っても負けても1試合で終わり。ならば勝って終わりたいと全員野球で練習に取り組んできたので勝ててよかったです。今年もたくさんの応援ありがとうございました」

今年のチームは東北大会でも勝ち進み、決勝でも優勝した仙台育英と好ゲームを繰り広げるなど力を感じさせただけに、センバツ、選手権の中止は本当に残念でした。しかし、今回の甲子園交流試合で選手たちの力を全国に披露できたのではないかと思います。
OBとして独自大会および甲子園交流試合の実現に動いていただいた関係者の皆様にあらためまして御礼を申し上げるとともに、最後まで高校野球をやりきった選手たちを讃えたいと思います。本当にお疲れ様でした。

さて、山形県では既に秋季大会がスタート。鶴岡東も新チームが始動しています。今回の秋季大会は甲子園交流試合出場のため地区予選免除。秋季大会初戦は9月19日(土)の県大会2回戦(荘銀・日新スタジアムやまがた*会場変更の場合あり)になります。夏に続き今大会も原則無観客試合となりますが、来年は無事に春夏甲子園が開催されることを願って、再び熱い応援よろしくお願いいたします。